
私が貢献できること
これまで農業の様々な経営形態に対して、収支計画作成支援など経営改善に向けた実務を経験してきました。これまでの経験から、一次産業の現場課題を数値化し、現実的かつ実行可能な計画・取り組みに落とし込む力を培っています。農業者の思いや制約条件を丁寧に汲み取り、経営視点からの分析と改善提案を行うことを専門としています。
■ 得意分野の実務経験・支援実績の概要・成果
年月日 | 地域 | 農林水産物 | 専門分野 | 概要・成果 |
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2022/09-2023/02 | 大阪府 | 水稲 | 経営改善 | 水稲を栽培する兼業農家に対し、売り上げ拡大を目的とした収支計画の策定支援を行いました。対象農家では、自家生産米を米粉および米粉加工品として販売していましたが、商品の認知度が低く、売上拡大が大きな課題となっていました。 ヒアリングと現場確認を通じて、米粉として活用可能な収量や加工に要する作業時間、委託加工費などを定量的に整理し、売上拡大に伴う追加コストを試算。その上で、実行可能な販売目標を設定し、収益性を見込める収支計画を策定しました。 本計画により、経営者が投資判断を行う上での根拠を明確にでき、今後の販路開拓や加工体制の強化に向けた意思決定につながりました。 |
2021/12-2022/03 | 奈良県 | トマト | 経営改善 | 複数のパートタイマーを雇用する家族経営のトマト施設栽培農家に対し、経営改善計画書の策定を支援しました。当該農家では、主力であるトマトの収量が安定せず、売上が伸び悩む中で事業継続のため追加融資を検討していました。しかし、経営者は経理の基本知識はあるものの、金融機関に提出する収支計画や改善策の立案に関する実務的な経験が乏しい状況でした。 ヒアリングと現場調査を通じて、トマトの収量改善に向けた現実的な目標値(栽培面積、単収、販売単価)を設定し、収益の算定を行いました。加えて、副次作物についても同様の指標で売上とコストを試算し、経営全体の収支構造を可視化しました。また、農業においては、キャッシュフローの偏りが大きいことから、今後の資金繰り表を作成し、当該農家の手元資金の状況を把握できるようにしました。これにより、実行可能かつ金融機関にとって納得性の高い経営改善計画書が完成しました。結果として、代表は追加融資に向けた対外説明力を獲得し、経営の再建に向けた第一歩を踏み出すことができました。 |
2019/04-2021/03 | 北海道根室振興局 | 畜産(酪農) | 経営改善 | 搾乳牛100頭規模の酪農経営体に対し、生乳生産量(売上)の向上を目的とした現地調査と改善提案を実施しました。酪農の主要収益源である生乳販売は、「搾乳牛1頭あたりの乳量 × 搾乳頭数」で決まりますが、飼養頭数は牛舎の規模により制約があるため、1頭あたりの乳量を増やすことが売上向上の鍵となります。対象農家では設備の改修なしで乳量向上を目指しており、私は乳量に影響する要因の一つである「採食量(牛が実際に食べた飼料の量)」に着目しました。 給餌量(与える飼料の量)および飼料の残渣(食べ残し)の実地調査を通じ、牛1頭あたりの採食量が不足していることを特定しました。残渣処理の作業負担(コスト増)にも配慮したうえで、適切な給餌量への見直しを提案し、実施につなげました。その結果、対象農家では1頭あたりの乳量が向上し、生乳出荷量の増加(売上向上)につながりました。本支援は、限られた設備の中でも収益改善が可能であることを示す事例となりました。 |