居住地
鹿児島県
職業
農林水産業技術職
鹿児島県
農林水産業技術職
年月日 | 地域 | 農林水産物 | 専門分野 | 概要・成果 |
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2019/09-2022/03 | 大島郡喜界町 | さとうきび | 農山漁村資源活用 | 新設黒糖工場での黒糖商品製造・販売を目指すさとうきび農家の6次化支援に各種内容で支援に取組んできた。 結果,令和4年12月に「HACCPの考え方を取り入れた」黒糖工場が完成し,2月から本格的に試験製造を開始した。4月まで15回試験製造した。 支援農家の黒糖製造技術は,蒸気窯による製造のため従来の製造技術と大きく異なり,安定した製造技術確立までは試行錯誤の技術構築が想定されたため,工程管理表を作成しすべての工程を各機材を利用して数値化するように支援した。記録は順調にされた結果,品種や搾汁液Brixの違いを数値化でき黒糖の品質差も数値化できるようになった。 特に,pH調整方法と調整時の温度や加熱処理温度が不明な点が多かった。先進県の沖縄県のデータ・論文の収集,研究者への質問・アドバイス等をもらい製造技術に反映させた。 その結果安定した黒糖製造ができるようになった。 今後はそのデータと製造コストと照合させながら商品開発や商談会へ対応できるように支援していく計画である。 また,作成した評価表で事前に黒糖の官能評価や商品評価を行い商品開発に活かしていく。 さらに黒糖製造工程で排出されるバガス(さとうきび搾りかす)は畜産農家の飼料や堆肥の材料として,また糖分を多く含んだ蒸気窯等の洗浄水は施設園芸農家の土壌還元剤としての利用を図るために,関係農家とのネットワーク化を提案した。 |
2020/09-2022/03 | 奄美市 | 島豚 | 農山漁村資源活用 | 「奄美で生まれた島豚」の精肉,加工品製造・販売での6次化支援に下記のとおり取り組んできた。 「奄美で生まれた島豚を奄美で食べてもらいたい」との(株)カイセイの目標達成に向けて支援を開始した。 当初,「奄美市が新設する賭殺場,加工施設への参加の是非」が緊急題だったためその解決を急ぐための支援を行ってきた。支援内容は,既存販売方法の実態調査や既存製造・販売経営実績と新設施設参加での経営試算との計画経営比較提案などであった。現在,市の計画が進んでいないので「カイセイ」は経過確認中である。 商品の基となる養豚部門の実態が数値で確認できなかったため,各ステージ毎の飼養管理簿の提供や実践支援を行った。その結果,養豚部門の詳細な経営実績や繁殖実績が提示された。それらの実績から養豚部門の赤字が明らかになり,その原因は出荷率が62% と低いこと判明した。 繁殖実績から各肥育ステージ毎の死亡率も明らかになったので,出荷率が低い原因を県農業大学校養豚部教授(獣医師)に診断してもらった結果,肥育ステージでの管理に問題があることを指摘された。 農大からの指摘事項・内容及び実態把握の結果,「カイセイ」は早急に肥育舎の衛生改善に取り組んだ。 出荷率向上を目標として,肥育期死亡率の低下,飼育舎の衛生管理の徹底,敷料の衛生管理の徹底等に取り組んだ結果,改善は図られた。 各ステージ毎の管理が数値化できた結果,母豚の出産頭数の減少や出産率の低下が新たな問題として明らかになった。その原因究明と解決のため,再度農大養豚科でアドバイスをもらい,その内容を「カイセイ」に伝えた。 併せて,養豚技術の習得者がいない「カイセイ」の改善策として,「カイセイ」の職員が農大養豚科で技術習得する方法も聞いたが,畜産学部長から「他の畜産部門では可能であるが,養豚では家畜衛生管理上の問題から無理」であることの説明を受けた。その結果も報告した。 現在,安定した出荷頭数確保を目標に飼育管理実績を数値化して取り組んでいる。 |